高山登展

300本の枕木 呼吸する空間
   
2010年1月23日〜3月28日
宮城県美術館
   
●Headless Scenery in Miyagi 2010
  
     
     
  
  
  
  
    
●地下動物園 2010
  
       
 ●館内展示室にも多くの作品が展示され、期間中には田中泯氏の舞踏(3月20日)等多彩なイベントが開催されました。     
   
 ●「覚え書き」   高山 登
   
  
 枕木をつくり枕木の表現を意識し始めたのは1968年頃だったか。
 騒然とした、疲れ切った群衆の織りなす横浜駅で戸塚に向う電車を待ちながら、ぼんやり立ち空ろな視線は鈍く光る線路をさまよっていた。その日も、明日も、どうして良いか、何をしたら良いか解らない自己喪失状態の中、すると線路の下に引かれている(原文のまま)枕木が何かの記憶を呼び覚ますように立ち現れてきた。大学2年の時北海道に炭坑を巡りながらの旅行である。そして炭坑街の情況、エネルギーの変換、坑道、切り羽で働く人々・・・と記憶をたどりながら、黒々とした炭坑街の異様な色彩の響き、臭い、坑道をはしる線路、枕木、坑木・・・がつぎつぎと思い出されてきた。そして枕木は地下の世界から地上の世界まで縦横に張り巡らされていたことに。この暗闇の世界、暴力的なタールの染み込んだ黒い枕木が私の脳裏をさまよい「近代とは」「物質と人間とは」「アジアとは」「民族とは」「戦争とは」「国家とは」・・・と思いが飛び回り最終的に「人柱」がイコール「枕木」にたどり着き近代化の中で人柱と成っていった人々への鎮魂歌として枕木を造り始めた・・・。
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 「サーロインステーキ丼 枕木風」